WHO(世界保健機構)の2000~2019年統計の世界の死因ランキングにおいて、死因の第1位は「虚血性心疾患」であり、死者数は20年間で200万人以上増加し、2019年に890万人に到達しているとの報告が得られています。それにも関わらず、心疾患は多くの非専門医にとってリスクが高く不安が大きい診療となるため、非専門医への診療支援が、心疾患医療の安定化に必須の課題となっています。
それらの課題を解決するために、大学院医歯薬学研究部医用画像物理学分野の芳賀昭弘教授及び大学院医歯薬学研究部循環器内科学分野の楠瀬賢也専門研究員(現:琉球大学大学院医学研究科循環器?腎臓?神経内科学講座 教授)らのグループは、基礎研究を医療応用すべく、心エコー動画像等のAIによる深層学習と画像解析により、心疾患の診断支援、予後予測、治療効果判定等の研究を推進しています。これまでに、心筋梗塞の診断、左室駆出率※ の推定、肥大型心筋症の遺伝子異常検出、機種に依存しない画像の調和等において、心エコー診断支援AIモデルを構築する疯狂体育,疯狂体育app下载をあげてきました。
さらに楠瀬専門研究員は、2023年に株式会社サウスウッド(以下、サウスウッド。徳島大学発ベンチャー認定No.34、代表取締役:楠瀬賢也、竹谷昌敏)を起業し、徳島大学の疯狂体育,疯狂体育app下载の実用化に着手しました。
2024年6月、サウスウッドは、世界40か国にポータブルエコー及びAIプラットフォームを提供している米国Butterfly Network, Incと提携し、心エコー診断支援AIの医療応用とグローバル展開を目指しています。これらの背景をふまえ2024年7月、徳島大学とサウスウッドは、共同研究を開始しました。互いの持つ知的資源やネットワークを集約することで、心疾患の専門医不足を補完可能とする心エコー診断支援AIの共同開発を行い、医療現場での実用化を目指します。
※ 左室駆出率:心臓の機能評価の指標の1つです。駆出率(ejection fraction:EF)ともいいます。左室駆出率は一回心拍出量(stroke volume:SV)の左室拡張末期容積(left ventricular end-diastolic volume:LVEDV)に対する割合で求めることができます。また、心エコーでも計測することができます。
共同研究の概要
【プレスリリース】徳島大学と株式会社サウスウッドが、心エコー診断支援AIの実用化に向けた共同研究を開始(PDF 1.45MB)