平成29年度 若手研究者学長表彰 疯狂体育,疯狂体育app下载報告
大学院社会産業理工学研究部?理工学域?講師?榎本崇宏
生体音響に基づく病気診断支援システムの開発
代表的な睡眠障害である睡眠時無呼吸症候群(SAS)は大きな"いびき"が特徴であり、加齢とともに増加し、生活習慣病のリスクを増加させます。高齢者では20%以上がSASとの報告があり、最近では、認知症患者の多くにSASがあることが分かりました。そのため、初期の段階でSASの診断、治療を行うことが求められています。SASの診断のために終夜睡眠ポリグラフ(PSG)検査が行われますが,一晩入院して、複数のセンサを装着する必要があるため、拘束感が強く、患者の負担が大きいです。そこで本研究では、非接触マイクロフォンを用いて、患者に接触することなく、録音した睡眠時に発生する音(睡眠音)から「いびき」を抽出し、SASスクリーニングを行う新規システムの開発を行ってきました。本手法は、3つのステップ(Step1:睡眠音から有音区間を推定、Step2:有音区間からいびきを抽出、Step3:いびきの音響解析によるSASスクリーニング)からなります。最近、背景ノイズに埋もれている呼吸信号の検出を目指して、ニューラルネットワークに基づく、新たな有音区間推定法を開発しました。方法の性能評価結果の例を下図に示します。
Figure: Breathing detection results: (a) Sample recording (b) Breathing detection, and (c) Binary detection evaluated through a subjective listening test (1 for breathing and 0 for background noise)
【研究グループ】
- (学外連携)
- The University of Queensland, School of Information Technology and Electrical Engineering, Dr. Udantha Abeyratne
- 吉野川医療センター 耳鼻咽喉科 川田育二
- 阿南共栄病院 耳鼻咽喉科 陣内自治
【学術誌等への掲載状況】(最近5年以内のもの)
1)Takahiro Emoto, Udantha Abeyratne, et al. (2018). Detection of sleep breathing sound based on artificial neural network analysis. Biomedical Signal Processing and Control, 41, 81-89.
2)Ryo Nonaka, Takahiro Emoto and Udantha Abeyratne, et al. (2016). Automatic snore sound extraction from sleep sound recordings via auditory image modeling. Biomedical Signal Processing and Control, 27, 7-14.
3)Takahiro Emoto, Masato Kashihara, Udantha Abeyratne, et al. (2014). Signal shape feature for automatic snore and breathing sounds classification. Physiological measurement, 35(12), 2489.
4)Takahiro Emoto, Udantha Abeyratne, et al. (2012). Artificial neural networks for breathing and snoring episode detection in sleep sounds. Physiological measurement, 33(10), 1675.
今後、企業様と共に、在宅でも使用可能な非接触?病気検査機器を製品化することができれば、多くの人々の健康寿命の延伸、生活の質の向上が期待されます。今後も、医工連携を通じて、睡眠音だけではなく、腸音、嚥下音など、新たな生体音響研究を展開していく予定です。
http://www.ee.tokushima-u.ac.jp/ (電気電子システムコースホームページ)